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高速道路の案内標識が緑色な理由は?標識の緑色と書体に規定はあるのか|2

2.どんな緑色かは定められていない


緑色にはさまざまな色調があります。


そこで、標識令ではどのような色調の緑色を使用するか決まっているのでしょうか。


意外なことに明確な定めはありません。


しかし、緑色と定義できるならどんな色でもよいということでは、

青色に近い緑色を使用した場合、高速道路と一般道路の案内標識の区別がつかなくなってしまいます。


上記をルール化するために、標識全般は警視庁の「交通規制基準」と

日本道路協会の「道路標識設置基準・同解説」で色の範囲が決められています。



具体的な解説は下記です。


色の範囲は、色を光の三原色(赤・緑・青)に基づいた色度座標や輝度などを基準にしています。


※色度座標は、色度(明るさを無視した色の性質)を数量的に表わすための3つの数値の組のことです。

※輝度は、観測者が対象を見たときの明るさを表す指標であり、

 ディスプレイなどの面光源の明るさを表す指標として用いられます。


色は昼夜や天候など周囲の環境や、スマホやPCのモニター、印刷物などの媒体で見え方が異なります。

上記の理由から、色度座標や輝度を基準に色を数値化してイメージどおりの色を共有できるようにしているというわけです。


また、国土交通省の資料によると、道路標識の色彩については

「標識令」により「緑色」、「青色」とされているのみで、色番号で規定されていません。


ただし、(財)日本規格協会によって、保安用反射シートおよびテープの色の規格が決められており、

道路標識の色彩はこちらを利用するのが決まりとなっています。


※(財)日本規格協会とは、日本産業規格(JIS)原案の作成、

  JIS規格票の発行、出版物(『JISハンドブック』等)の発行などを行う日本の法人です。


高速道路の案内標識は、規定内の色の範囲を守っていれば問題ないため、

路線や管理会社によって案内標識の緑色は微妙に異なっています。


大手の管理会社であるNEXCOと首都高速道路株式会社の案内標識の色は、

「NEXCOグリーン」、「首都高グリーン」と呼ばれることがあります。


※首都高速道路株式会社とは、高速道路株式会社法に基づき設置された、

 首都高速道路の管理等の業務を行う特殊会社です。


NEXCOに比べて、首都高のほうが少し明るい緑になっているのが特徴です。


また、NEXCOと首都高では書体が違います。

どちらも、日常のあらゆるシーンで多数採用されている「角ゴシック」という文字の太さが一定で角張った書体を使用しています。

しかし、NEXCOは「ヒラギノ角ゴ」、首都高は「新ゴ」を使っているのです。


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